[フランス語]演劇の台本を読んでみる
CATEGORY : Français
2015年11月17日

ここのところあまりブログの更新はできてないですが、細々といろいろ読んだりしています。
ちょうど一年くらい前に舞台(初演)を見た、アンドロイド版『変身』の台本(フランス語版)を最近読み直してみました。
会話ばかりのフランス語を読む事ってあまりないし、舞台台本ならではの用語も興味深く、とても新鮮!でした。
舞台用語
見慣れている単語でも意味がよくわかんなくて、調べなおしたら舞台用語だったりします。
まず、台詞は「les répliques」。そして舞台の中央は「le centre de la scène」。
まぁここまでは予測つきます。
舞台裏は「les coulisses」辞書には「引き戸」とか「(引き戸の枠などの)溝、レール」という意味も載っていて、そこから舞台裏、舞台の袖、楽屋が連想されますね。
jardinもcourも庭だけど
面白かったのは舞台の上手(客席から見て舞台の右側)、下手(客席から見て舞台の左側)をそれぞれ、
「côté cour」(上手)
「côté jardin」(下手)
と言っているところ。
courもjardinも辞書引くと真っ先に「庭」って出てるけど、イメージはちょっと違うようです。
jardinは辞書的には「(一般に囲いのある)庭、公園、菜園」なんて出てます。
手持ちの「ラルースやさしい仏仏辞典」では
Un jardin est un terrain où l’on CULTIVE des fleurs, des légumes.
(jardinとは、野菜や果物を育てる土地)
なんて出てて、家庭菜園的なイメージになってます。
かたやcourは「(壁、建物等に囲まれた)庭、中庭」でちょっとプライベートなイメージ。
そんなイメージの違いが上手・下手に表れているんでしょうか。
同じ意味でもたくさんあるフランス語の表現
日本語の台本では同じ表現でも、フランス語だといろんな言い方をしていて面白いです。
何してるの?
朝起きたら、人間の姿でなくなっていた主人公。部屋から出てこない主人公に対して、家族が「何してるの?」と呼びかけます。
「Tu fais quoi?」
「Qu’est-ce que tu fabriques?」
「A quoi tu joues?」
部屋に入ってきて、主人公の変わりはてた姿を見た後は、
「C’est quoi, ce cirque?」(何?この状況?、みたいな)
「Non mais, à ton âge! Non mais qu’est-ce que tu fais, là?」(いい年して何してんだ、お前は!)
イライラがつのってくるとこうなります。
ところで「cirque」って、「サーカス」のことですが、「サーカスのような離れ業」も指して「騒ぎ、バカ騒ぎ」って意味もあるようです。
「Arrête ton cirque!」(冗談はやめてよ)
という風にも使われてました。
もしも・・・
人間とは何か?をいろいろ議論していくこの演劇。
もしも、という仮定の話がたくさん出てきます。
もしも、って「Si・・・,~」じゃないか?、って思い込んでたら、他にも言い方があったんですね。
admettons que 接続法、mettons que 直説法/接続法
admettreやmettreを使っても、仮定の話ができる!
「mettons que 直説法/接続法」(~と仮定しよう、~とひとまず認めてください)
Admettons que je sois bien ton cousin…
(私が君のいとこだとして…)
Mettons que vous gagniez à la loterie…
(君達が宝くじに当ったとして…)
のように「admettons que ~」「mettons que ~」を使って言うと
もし~ならば、という前提を強調することができますね。
前置きに「C’est juste une supposition」
「si」単独でなくて、「C’est juste une supposition~」という前置きをかますと、より「仮定」の話だと強調できますね。
C’est juste une supposition, mais si …
(仮定の話なんですが、もし…だとして、)
さいごに
舞台を見てから随分間があいてから、台本を読んだんですが、けっこう、あの場の雰囲気は覚えていました。
舞台の台本ならではの表現や、雰囲気がおもしろかったです。
あまり手に入れられる機会はないかもしれませんが、あれば、ぜひ、読んでみてください。