桜の花が満開になってきました。
ラルースやさしい仏仏辞典、Hまで読み終わりました。
分量は14ページ、42語。ずいぶん少ないです。
(ことわりのない限り、引用部分は「ラルースやさしい仏仏辞典 NIVEAU 1」からです。一部番号ふったり太字にしてます。)
Hといえば、発音されない音!
「H」ってフランス語では、発音されないアルファベット。
でも辞書を見ていると、
haricot [ariko] n.m.
G.Notez le h aspiré : les haricots [leariko].
「le h aspiré」・・・
そうそう、Hって、有声のHと無声のHというのがあったな、と。
有声のHって・・・なんだったっけ
有声・無声、ってどちらにしろ特別な音は発音されないんですが、
有声の場合、「le h aspiré」というように、なんか息だけ吐かれるというか、言っているつもりというか、
とにかく無声の場合とは発音等々が異なってきます。
有声のHは
・リエゾン、エリジオンを行わない
・女性名詞は、ma,ta,sa のままでよい。
※母音または無声のHで始まる単語の前では、女性名詞でも、mon,ton,sonを使ったり、定冠詞もl’にするが、
有声のHは例外になる。
(たとえば、
有声のH:sa honte、la hauteur
無声のH:son habitude、l’histoire)
そして有声か無声かを見分ける方法はないですけん、覚えるしかないのです。
今回出てきた42語の中で、有声のHとして注意書がしてあったものを列挙してみます。(9個!)
hasard (n.m.) 偶然の出来事
hausse (n.f.) 上昇
haut,e (adj.) 高い 、haut(adv. et n.m.)高さ
hauteur (n.f.) 高さ
honte (n.f.) 恥、不名誉
honteux,se (adj.) 恥ずべき
hors de (prep.) 外に、外部に
hors-d’oeuvre (n.m.inv.) オードブル、前菜
有声のHの単語をもうちょっと調べてみる
昔、フランス語を習ったとき、有声のHって外来語由来が多いとかなんとか聞いたことがあったので、
ほんとうかどうか辞書を引きなおしてみると・・・
haricot (n.m.) インゲン豆
仏和大辞典によると、
古フランス語 harigoter 細かく切り裂く < フランク語 *harijôn (*hariôn 「台無しにする」の異形)
「インゲンマメ」の語義はfèves d’haricotの略; 羊肉の煮込み料理の付け合せに用いられたことからか
とある。
hasard (n.m.) 偶然の出来事
これも仏和大辞典によると、
スペイン語 azar(さいころの)悪い目、偶然
←民衆アラビア語 az-zahr さいころ ← az(古典アラビア語定冠詞alの同化形)+ ?;
yazara さいころ賭博をする、あるいは古典アラビア語 zahar 花 :さいの目の一つに花の模様があったことから
アラビア語→スペイン語(azar)→フランス語(hasard)
という歴史があるようです。
ついでに西和中辞典より
azar (m.) 偶然、運、なりゆき、事故、災難、(トランプ)負け札
[アラビア]az-zahr「花;(ひとつの面に花模様のある)サイコロ」;
「悪い賽(さい)の目;不運」の意味から現用の語義al azar (1) 偶然に、たまたま、意図せず (2)なりゆきかせに
スペイン語にも、「偶然に、たまたま」といった同じような言い方があるね。
ついでに例文を見ながら使い方を整理・・・
Si par hasard + 直説法 ~の場合は、もし~すれば
au hasard でたらめに、あてずっぽうに (sans choisir, sans réflécir)
①Il est tombé sur la bonne réponse, mais c’est vraiment le hasard.
②Tu n’aurais pas fouillé dans mes affaires, par hasard?
③Si par hasard Pierre me téléphone, dis-lui de me rappeler vers midi.
④Prends une carte au hasard.
(仮訳)
①彼は正解したが、それは本当に偶然のことだ。
②君はひょっとして、私事に首を突っ込むつもりじゃないよね?
③もしピエールが電話してきたら、お昼にかけなおしてと言って。
④カードを一枚、適当に選んでください。
haut,e (adj.) 高い
仏和大辞典によると、
ラテン語altus(alere「育てる」の過去分詞古形)。語頭の有音のhは同義のフランク語hôhの影響
ふぅむ。。。またフランク語。
honte (n.f.) 恥、不名誉
仏和大辞典によると、
フランク語*haunipa, *haunita 軽蔑
だそうな。
hors de (prep.) 外に、外部に
horsは「dehors(prep.)」から来ているので、仏和大辞典のdehorsの語源を見てみると、
後期ラテン語deforis ← dé-2 + 古典ラテン語副詞foris 外へ ← foris 戸
foris、フォの音の名残で有音なのかな・・・
アラビア語もあったけど、フランク語由来が多いですね。
なじみブカイ単語を復習してみる
「H」の項に出てきた単語はフランス語を始めてたころから知っているよ!って単語も多いんですが、
頻出単語ゆえに盲点となっている使い方や意味の違いもあるので、もう一度確認してみます。
hauteur (n.f.) 高さ
まず、次の例文から・・・
Ce mur a trois mètres de hauteur.
「この壁は3メートルの高さがある。」って何の変哲もない文章ですが、
この文章を「haut,e (adj.) 高い」を使って言い換えてみると、
Le mur est haut de trois mètres. = Le mur a trois mètres de haut.
つまり、「○○の高さがある」は
「avoir ○○ de hauteur」
「avoir ○○ de haut」
「être haut de ○○」
の3通りで言えるわけです。
じゃ、hauteurとhautって、どういう違いがあるのかというと、ラルース仏仏には、山(montagne)の例でその違いが解説されてます。
S.1. Ne pas confondre LE HAUT d’une montagne ( son SOMMET, sa partie SUPÉRIEURE) et sa hauteur ou son ALTITUDE (langue savante)[sa DIMENSION depuis le BAS jusqu’au SOMMET].
On ne parle pas de la hauteur d’une personne, mais de sa TAILLE.
2.De hauteur (après un numéral) a pour syn. DE HAUT.
「LE HAUT」というのは頂上(SOMMET)、その上部の(SUPÉRIEURE)部分を指していて、
「hauteur」は山のふもとから頂上までの高さを指している。(ALTITUDEは海抜、高度などの学術用語)
人の身長は「TAILLE」を使う。
でも、「○○の高さがある」と言う場合には、「De hauteur」でも「DE HAUT」どっち使ってもいいよ、ということらしい。
しかし、「hauteur」は高さだけを指すのではないのです。
Ⅱ.à la hauteur de qqn, de qqch
Il marchait derrière moi et, arrivé à ma hauteur, il s’est arrêté pour me dire bonjour.
À la hauteur de la maison blanche, vous tournerez à droite.3.AU sensⅡ, hauteur a pour syn. NIVEAU. Être à la hauteur de qqn, de qqch, c’est ÊTRE PRÈS DE lui.
「à la hauteur de qqn」という場合、
「(人に)追いついて」、とか「並んで」という意味がある。
「à la hauteur de qqch」の例では、
「~の位置に、近くに」というふうに訳せますね。
histoire(n.f.)話、歴史
これも馴染みの単語ですけど、例文を読んでみると、
①Si on allait au cinéma, histoire de se changer un peu les idées?
②Bon d’accord, j’ai eu tort, mais tu ne vas pas en faire une histoire, non?
③Alors quoi, tu en fais des histoires pour accepter, décide-toi!
④Dépêche-toi, parce que, si on arrive en retard, on va encore avoir des histoires avec le patron.
①histoire de = juste pour 「ちょっと~するのに」
気分転換に映画に行かない?
②en faire une histoire = dramatiser「大げさに言う」」
ええ、私が間違ってた。でも大げさに言わないでくれる?
③en faire des histoires = faire des manières「もったいぶる、なかなか承知しない、きどる」
あのね、もったいぶってないで、決めなさいよ!
④avoir des histoires avec qqn = avoir des ennuis (des démêlés) avec qqn
「~と揉め事をおこす」
急いで、遅れると、また社長ともめるから。
おわりに
よーく知ってるつもりの単語でも、知らない使い方があったり、
基本的な文法事項忘れてたりと、やっぱりときどき復習が必要だと感じたHでした。
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