[スペイン語]日本の伝統文化「折り紙」-意外なつながりが スペイン、フランスに。その1~スペイン

[スペイン語]日本の伝統文化「折り紙」-意外なつながりが スペイン、フランスに。その1~スペイン

こんにちはちりめんじゃこ(@tirimenJ5)です。

外国の方に日本文化を紹介する時に折り紙で折鶴を作ったり、なんてよくある風景ですが、
この「折り紙」、世界中で愛好家が広がっていて外国でも驚くような作品を作っている方もたくさん居るようです。

さらに、折り紙は日本だけで発展してきたわけではなく、なんとスペインにも独自の折り紙の歴史があるようです。

ということで、今日はスペインの折り紙についてちょっと調べてみました。

スペインにも独自の折り紙文化が。「Papiroflexia」

「折り紙」は今や「Origami」として外国でも通用する言葉になっていますが、スペインには独自の折り紙文化があるため「Papiroflexia」という単語があります。

Wiki(スペイン語版)に詳細な歴史が載っていたのでざっと見てみると・・・

レコンキスタ前(イスラム時代)

紙は中国で紀元前に発明されたものですが、751年にタラス河畔の戦いでアッバース朝が唐に勝ち、連れ帰った捕虜の中に紙職人がいたことからイスラムに製紙技術が伝わったといわれています。(この捕虜も折り紙をしていたらしい)

イベリア半島には1144年にシャティヴァ(バレンシア)にヨーロッパ発の製紙工場ができます。(フランスなどヨーロッパ諸国は羊皮紙を使用している時代)
なのでこのくらいの時代にはイベリア半島でも折り紙が行われていたのでしょう。

ただ、イスラム教支配下では偶像崇拝が禁止されているので、折り紙は“幾何学的・数学的”な作品のみ作られていたようです。
(折り紙で作られた幾何学模様がが建築に影響しているそうです)

レコンキスタ後

キリスト教は偶像崇拝OKなので動物などの折り紙作品も作られるようになります。

が、数世紀の間それほどの発展はなかったようです。

20世紀初め(1930年代)に、サラマンカ大学の教授でもあった哲学者ミゲル・デ・ウナムーノが折り紙を独自発展させ、教育への活用も含めた論文を書き、スペインだけでなく南米にも折り紙を広めています。
折り紙を意味する「cocotología」はウナムーノの造語で、フランス語の「cocotte(ニワトリ)」からきているようです。

最近ではサラゴサに「サラゴサ折り紙博物館」という折り紙をテーマにした博物館が出来ています。
確か世界初の折り紙博物館とか書いてありました。こんなところからもスペインの折り紙文化に対するプライドが見えてきます。

「pajarito」(小鳥)を折りながら単語を覚えてみる

折り方を説明する言葉

スペイン語Wikiの「Origami」のページhttp://es.wikipedia.org/wiki/Origami#Origami_cl.C3.A1sicoにも折り方の記号と一緒にのってます。

まずは動詞から。

折る」は「doblar」です。
折ったものを広げる」は「desdoblar」。

その他、
回転させる」:rotar
押し込む」:hundir
ふくらませる」:inflar
引っぱる、もどす」:tirar
ひっくり返す」:volver
ポケットを広げてつぶす」:abrir
なども使えそう。“つぶす”ところまで「abrir」で表現できるのかってところが驚き。

さらに、「折り目」はdoblez(m. 複数形はdobleces)。
山折り」は「doblez monte
谷折り」は「doblez valle
山(monte)、谷(valle)と日本語と対応しているので分かりやすいですね。

中わり折り」は「doblez inverso hacia adentro
かぶせ折り」は「doblez inverso hacia afuera
ちょっとややこしいけど、中へ(adentro)とか外へ(afuera)、反対に(inverso)折ればいい、ってことですね。
説明にはatendroとかafueraなんかを上手く使いこなす必要がありそう・・・

実際の説明は・・・?「pajarito」

ざっと折り紙用語を確認したところで、実際にどうやって説明しているか、ウナムーノの代表作品の「pajarito」(小鳥)を説明しているビデオがあったので見てみました。

うーん、説明早いっ!

でも、折っているところを見れるので、なんとなく分かったかも。

興味深かったのは、

対角線にしっかりと折り目をつける」(という意味だと思う)のが、「marcar perfectamente las diagonales」。
diagonal(f.対角線)

角を中心部に合わせておる」(という意味だと思う)のが、「las esquinas al centro」。
esquina(f.角)

小鳥の足を引き出すときに「sacar(引き出す)」、
頭を出すときに「abrimos un poco esta zona」(この部分をちょっと広げて・・・)、「enganchamos(←enganchar ひっかける、つかむ)
なんて言ってたところ。

いろんな表現があるんですね。面白い。

まとめ

独自の折り紙文化があるスペイン。
でも、最初から正方形の「紙」はあんまり流通していないのか、ビデオの最初でもA4の紙(folio)を対角線で折ってあまりを切り取り、正方形(cuadrado)を作っていましたね。
最初何の説明なのかと思った。。

ところで、最近は折り紙を科学に応用した研究も行われているらしいですが、イベリア半島のイスラム建築にはずっと昔から折り紙が利用されていたわけで、折り紙の理科系への応用はそれほど不思議ではないんだなと思うと同時に、昔のイベリア半島ってかな~り最先端いってたんだなと想像しました。