実は鳥好きのtirimenJ5です。
今年は酉年、ということで、鳥が出てくる諺や成句を調べてみることにしました。
日本語では、「ツルの一声」とか、いろいろありますが、フランス語ではどんなものがあるのか?
鳥の名前自体、なじみがないかもしれませんが、思いもかけない諺があったりして、フランス語だけでなく日本語の鳥の名前も覚えてしまえるかも?!
Geai カケス
Jay By: Marie Hale
カケスってカラスの仲間なので、あんまり鳴き声が美しくないです。
「ジェー」みたいな鳴き声なので、英語ではJay、フランス語でもGeai、て呼び名になったみたい。
le geai paré des plumes du paon
(クジャクの羽をつけたカケス)
→「借り物を自分の物のように自慢する人」
paré < parer 飾る
paon (n.m.)クジャク
ラ・フォンテーヌの寓話詩から来ているみたいです。
さらにさかのぼれば、イソップ寓話の「虚飾で彩られたカラス」の話が有名かもしれません。
クジャクの羽を付けたカケスが、自分は綺麗だろう、と自慢する。でも本当の自分ではないんですね。
Grive、Merle ツグミ
ツグミ By: Ken Ishigaki
Thésée-la-Romaine (Loir-et-Cher). By: Daniel Jolivet
Faute de grives, on mange des merles.
(ツグミがなければ、クロウタドリを食べる)
→「ありあわせのもので我慢!」
griveは大型の食用ツグミ、
merleはクロウタドリ(黒ツグミとも言う)のことらしい。たぶん、griveよりも美味しくないのでしょう。
日本ではツグミは冬鳥なので、今の時期なら原っぱなんかにいるかもしれません。私もたまにみかけます。
野鳥なので獲って食べるのはNGですが、実は美味しいらしい。
可愛いので食べるなんて考えた事なかったけど。いやもちろん今後も。
Hirondelle ツバメ
Couple d’hirondelles bicolores By: guizmo_68
Une hirondelle ne fait pas le printemp.
(一羽のツバメの飛来で春にはならない)
→「物事の一部だけを見て全てを知った気になるな!」
お馴染みツバメの登場です。
ツバメが来ると春が来たって感じで、俳句でも(春の季語)詠まれますがー。。。
ちょっと釘を刺されている感じです。
面白いのが、スペイン語でも似たような表現があって、
Una golondrina no hace verano.
(一羽のツバメの飛来では夏にはならない)
→「早合点は禁物!」
スペイン語では春でなくて、「夏」なんですね。
Buse ノスリ
ノスリってどんな鳥か、すぐに思い浮かぶ人って少ないかも。
猛禽類、タカの一種です。
Buse By: Fourrure
D’une buse on ne saurait faire un épervier.
(ノスリをハイタカにすることはできない)
→「馬鹿につける薬はない」
ちなみに
épervier(n.m.) ハイタカ
はこんな鳥
Épervier – Hawk By: Denis Fournier
あんまり、感じが変わらないけどー。
ノスリの方がちょっと弱そう?!
ハイタカは高貴な鳥として扱われるのに対して、愚か者は「ノスリ」と呼ばれていたらしい。
ノスリは他種のタカとは違って、高いところで頭を動かさずにじっとしているらしいが、その姿がバカ者のように見えるから、とか、鷹狩のタカのように調教できない鳥だから、とかそんな理由でノスリはおバカもの扱いされているみたいです。
ちなみに「Triple buse」というと、「完璧なマヌケ、ヒドイ馬鹿」って意味だそうです。
http://www.expressio.fr/expressions/triple-buse.php
3と言えば日本のことわざだと、「3人寄れば文殊の知恵」なんていい意味になるけど、全く反対なのが面白い。
さいごに
あんまり馴染みのない鳥もいますが、ことわざになるということは、それだけ身近な鳥だともいえるのかもしれません。
次回はもう少しお馴染みの鳥にまつわることわざを集めてみたいと思います。
[nlink u=”https://tirimenj5.com/2017/01/29/2000″]