[フランス語]ラルースやさしい仏仏辞典から語彙習得のヒントを得る

[フランス語]ラルースやさしい仏仏辞典から語彙習得のヒントを得る

こんにちは、ちりめんじゃこ(@tirimenJ5)です。

昔に買った参考書等でほったらかしにしているものっていくつかあるのですが(汗)、その中でも仏検2級受験の際に購入したラルースやさしい仏仏辞典 NIVEAV 1は安くは無かったのにあんまり活用してなくて(というかできなくて)もったいない・・・とつねづね思ってたのです。

で、最近再チャレンジで少しずつ読むことにしたら、なぜか昔ほど辛くなく読めている!?
真面目に最初の前書きから読んでいたら、語学の勉強で意識しておくべきことが書いてあって参考になったので、メモがてら記事にしてみました。

『ラルースやさしい仏仏辞典』とは

仏語を学ぶ外国人のための”入門”仏仏辞典であり、見出し語が2815語(基本フランス語1450語とその他役立つ語約1000語)、派生語等をあわせると7700語という、そこそこなボリュームの辞典です。(Petit Robertで約6万語だそうな)

その1450語の見出し語にはそれぞれ「用法」「例文」「注解」があり、さらに「注解」では「G:文法 grammaire」「S:意味 Sémantique」「L:語彙 Lexique」の観点からより詳しく説明がされています。

特に「L:語彙 Lexique」では類義語、反対語、関連後、派生語などもカバーされています。

「辞書」というとなんだか言葉の羅列でつまんないというイメージですが、この「やさしい仏仏辞典」は見開き2ページ中に4~5個くらいのペースでユニークな「挿絵」(1コママンガみたい)がついているので、あんまり堅苦しさはありません

ただ、挿絵は見出し語直後の例文の絵ではない(挿絵のキャプションは辞典の最後に「légendes」としてまとめられている)ので注意。(私は知らなくて最初混乱してました)

本当にたくさん例文が収録されているんですが、この豊富な例文や説明を読むことで、「基本的な言葉」が「ふつうにどういう使われ方をされているか」かわかるようになっています。

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どんなことに気をつけて勉強すればいいか?のヒント

辞書の一番最初に、「この辞書の使い方」(Comment se servir du dictionnaire)が約50ページくらいあるんですが、始めて真面目に読んでみたら結構大切なコトが書いてあったんですが、でも普段あんまり意識してなかったなぁと反省。。
基本的なことではあるんですが、改めて意識してフランス語を読んでみると、今までとは違った読み方ができるんじゃないかという気がします。

「使い方の説明」の第2部「Ce qu’on peut faire avec ce dictionnaire」では11個のポイントが挙げられています。

1.Quel interlocteur?(どんな相手に話しているのか?:年齢・性別・職業etc.)
2.Situation et circonstances(状況:場所や時間、どんな人間が関わっているのかetc.)
3.Questions et réponses(質問と返答:肯定・否定・曖昧な返答etc.)
4.Donner un ordre(指示:命令・依頼・提案・禁止etc.)
5.Expression des sentiments(感情表現:驚き・確信・残念etc.)
6.Parler et raconter(主観的な話と客観的描写:直接話法と間接話法)
7.Niveaux de langue(言葉遣い:俗語・平俗な話し方・上品な話し方・文語etc.)
8.Sens des mots(言葉の意味:ニュアンスの強弱・軽蔑・好意・上品・下品・明快さetc.)
9.Syntaxe(構文:名詞・形容詞・動詞の性質)
10.Transformations(言い換え:言い換えによる意味や構文の変化etc.)
11.Utilisation de l’index(インデックスの利用)

辞書に掲載されている例文について、「2.Situation et circonstances」では言葉遣いなどの手がかりからどういった状況下での発言なのかを分析、「4.Donner un ordre」では直接的な言い方から柔らかな提案に言い換える方法、「6.Parler et raconter」では直接話法から間接話法に変えて言い直したらどうなるか、などが説明されています。

「 4.Donner un ordre(指示)」での例文言い換え練習

例えば、「 4.Donner un ordre(指示)」では、辞書中「réchauffer」の項で出てくる例文

Bois ce petit verre d’alcool, ça va te réshauffer.


「よく知らない人に話しかける場合」、
「よく知らない人に間接命令で言い換えた場合」
「周りの人に誘いかける場合」
「周りの人に誘いかけるのに間接命令で言い換えた場合」
の4通りで言い換えたらどうなるか、という質問があります。答は順に、

Buvez ce petit verre d’alcool, ça vous réchauffera.
Il faudrait que vous buviez ce petit verre d’alcool, ça vous réchaufferait.
Buvons ce petit verre d’alcool, ça va nous réchauffer.
Je propose que nous buvions ce petit verre d’alcool, ça nous réchauffera.

よく知らない人なら「Vous」使う、くらいは分かるけど、すらすら言い換えは(時制含めて)、まだまだな私・・・

「7.Niveaux de langue(言葉遣い)」での言い換え練習

また、「7.Niveaux de langue(言葉遣い)」では、辞書中「quoique」で出てくる例文

Jacques n’est pas venu, quoique tout le monde ait insisté pour qu’il vienne.

これを
「quoique」の同義語を平俗(familière)、日常語(courants)、上品(soutenue)の3パターンで言い換えるとどうなるのか聞かれます。(※これは辞書中「S」(Sémantique)の項でちゃんと書かれている)
答は、

MALGRÉ QUE(fam.); BIEN QUE, (ET) POURTANT (courants); ENCORE QUE (soutenu).

そして上記の例文の「quoique」を「pourtant」(日常語:courants)で言い換えたらどうなるか?と言う質問があって、答は、

Jacques n’est pas venu, et pourtant tout le monde a insisté pour qu’il vienne.

言葉遣いを意識する余裕なんてなかった、というのがホンネ(汗)。
Bien que とmalgré queって、そういう違いがあったのか!なんて今更・・・すみません。。。

もうひとつ「7.Niveaux de langue(言葉遣い)」での言い換え練習

同じく「7.Niveaux de langue(言葉遣い)」で、辞書中「indifférent」で出てくる例文

Ça m’est indifférent de partir tout de suite ou plus tard.


「もっと日常的な表現で言い換えた場合」
「平俗(familière)な表現で言い換えた場合」
の2通りで言い換えたらどうなるか、という質問もあります。答は順に、

Ça m’est égal de partir tout de suite ou plus tard.
Je me fiche de partir tout de suite ou plus tard.

こんな感じで辞書内の例文をいろんな観点から言い換えたりするとどうなるか、いろいろ考えさせてくれます。

同じ内容を伝えるのでも、丁寧な言い方や洗練された表現だと、そうでない場合に比べてとぜんぜん印象も違ってきますが、フランス語でそんなレベルでの言い換えってあまり系統立てて意識したことは少なくて、改めていろいろな次元の言い換えを見ているとこんなに表現があるのか!と思うのと同時に、長文読んでいてよく分からない部分って、案外ここが原因だったのかも・・・という気がしています。

単に単語を覚えるだけでなくて、表現の幅やニュアンスなんかにももっと注意が必要だな、と改めて感じました。

まとめ

この『ラルースやさしい仏仏辞典 niveau1』はレベル1と書いてあるように、さらに上のレベルがあります。
私はこのniveau1でも楽勝!で読めるレベルではないのですが(汗)、
仏検準1級あたりから必ず問われる動詞などの「名詞化」とか、語彙を整理して増やしていくのに勉強になるかな~と思ってがんばって読んでみようかなと思っています。

また、そもそもな話なんですが、今まで単語帳とかでフランス語と日本語を1対1な感じで覚えていて、語彙力も読解力も(もちろん作文も)なんだか自信がもてないままここまできてるんですが、これはやはり基本的な言葉からもう一度やり直したほうがいいような気がしてきています。
(そういう意味でもこの辞書は「基本語の運用を学ぶ」ことができるので、ちょうどいいかもと思っています。)

字が小さい(泣)のと初版が約30年以上前ということがちょっと引っかかりはするものの、少しずつ進めたいです。

ラルースやさしい仏仏辞典 NIVEAV 1

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