ラルースやさしい仏仏辞典Kまできました。
分量は1ページ、2語。今までで一番、少なかったゾ!
(引用部分は何も書いてないところは「ラルースやさしい仏仏辞典 NIVEAU 1」からです。)
なんでKから始まる単語は少ないのか?
仏和大辞典の「K」のところを読むと、
cやqと競合して[k]の音を発音させるために、主として学術語または借用語の中だけで用いられる。
『仏和大辞典』
とある。
その後にも説明が何かいろいろ書かれているが、もうちょっと分かりやすい説明があったので引用。
元来Cはギリシア文字のΓ(ガンマ)の一字体で、[g]を示しました。個人名の略記号C.(=Gaius)、Cn.(=Gnaeus)にその名残をとどめています。
のち、このCを[k]と発音したエトルリア語の影響から、Cは[k]音を表すようになり、その結果、本来[k]を表したKは次第に用いられなくなったのです。W同様、ロマンス諸語にKの語彙がないのはそのため。『はじめてのラテン語』p.32 大西英文著 講談社現代新書
な~るほど。「C」の項を読んだとき、あまりのボリューム(74ページ、単語数は約500個!!!)に、なんでこんなに多いんだ?と
思った謎が解けた。
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ラルース仏仏では「K」はたった2語しか紹介されてないから、CはKの約250倍の単語数、ってことになるよ。
実際、仏和大辞典のKの項をざっと見ると、地名とか、あと日本語も多いです。
Kimono(着物)とかKabuki(歌舞伎)とか、kakémono(掛物、掛け軸)とか・・・
「kilo」と略せるのは、kilogrammeとkilomètreのどちら?
フランス語で「kilo」と略して言えるのは、重さの単位「kilogramme」だけです。
キロメートルは略せません!
重さの単位「kilogramme」。「kilo」と略せます。
キログラムの定義を見てみると、
S.Le kilogramme est une UNITÉ de POID qui vaut mille GRAMMES ou deux LIVRES.
Une TONNE vaut mille kilos.(キログラムは重さの単位。1キロは1000グラム、または2リーヴル。1トンは1000キロ。)
重さ=POID。
と、見慣れない単位「リーヴル(livre)」というのがあります。
辞書引くと、1リーヴル=500グラム、とか書いてあります。
つまり、
un demi-kilo = une livre. (1/2キロ = 1リーヴル)
長さの単位「kilomètre」。
続いて、キロメートルの定義を確認。
S. Le kilomètre est une UNITÉ de LONGUEUR qui vaut mille MÈTRES.
(キロメートルは長さの単位である。1000メートルが1キロメートルに相当。)
長さ=LONGUEUR。
時速をいう時はキロメートル自体が省略可能
ということで、「キロ」とは略せないですが、「時速○○キロメートル」という時は、「時速○○」だけでOKです。
En France, la vitesse est limitée à cent trente kilomètre à l’heure sur les autoroutes et à quatre-vingt-dix sur les routes nationales.
(フランスでは、高速では時速130キロメートル、国道では90キロメートルに速度が制限されている。)
「○○ kilomètre à l’heure」が「時速○○キロメートル」というわけですが、
G.2. Lorsque l’on parle de la vitesse d’un véhicule, on omet souvent le mot kilomètre (faire du cent vingt à l’heure).
(自動車の速度について話す場合、kilomètreという語はしばしば省略される。)
とあるので、時速をいう時はキロメートル自体が省略可能となります。
おわりに
ラテン語の時代から、Kから始まる単語は少ないという歴史を知りました。
Kから始まる単語は大体外来語、ってことですね。
(「que」を「k」で書く最近の傾向は別として・・・)
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