[フランス語]「不足している」→「さみしい」→「しくじる」のmanquer。

[フランス語]「不足している」→「さみしい」→「しくじる」のmanquer。

今回は(も?)私の整理メモです。

manquerは「不足している、欠けている…」という意味で、英語ではlackとかmissに当たる動詞ですが、
時々、使い方や意味を混乱&忘れるので、ラルースやさしい仏仏辞典の解説を中心に復習したいと思います。

「足りないもの」は主語にも目的語にもなる

使い方がよくわからなくなる理由の一つに、「足りないモノ」は主語だったか目的語だったか?というのがあります。
スープに塩が足らないことを言うには次の3通りの言い方があります。

① Cette sauce manque de sel.
② Il manque du sel dans cette sauce.
③ Le sel manque dans cette sauce.

manquerは自動詞、他動詞両方あるので、どちらでも表現できる上に、非人称構文まであるんですね。

「足りないもの(塩)」が、
①では間接目的語(manquerは間接他動詞)
②は意味上の主語(非人称構文)
③では主語 (manquerは自動詞)

整理すると、足りないものをいう場合の言い方は次の3とおり

①[間接他動詞] manquer de 足りないもの(無冠詞名詞)
②[非人称構文] Il manque 足りないもの
③[自動詞] 足りないもの manquer

間接他動詞の「de」を忘れないように…

「欠けている」→「さみしい」のmanquer

何かが欠けている、その場にいないことで、「さみしい」という意味もあります。
英語もI miss you.とか言う、あれと同じですね。

Qu’est-ce que tu m’as manqué! Je n’aime pas quand tu n’es pas là.

この場合のmanquerは「間接他動詞」(仏和大辞典だと自動詞になってるが)。

よく見ると、欠けてる人、つまり「不在の人」が主語ですね。
英語では寂しいと思ってる人が主語なので、フランス語は逆になってる。ここ混乱しちゃいますね。。。

「不在の人・もの」manquer à 人 「不在の人・もの」が人に足りてない、欠けていると思わせる

「欠けている」→「失敗する、しくじる」

何かが欠けている、足りていない、ということから、「失敗する、しくじる」なんて意味にまで発展します。
rater, louperという意味が同義語としてラルースやさしい仏仏辞典には挙げられていました。

Il n’aurait jamais dû faire ce métier, il a manqué sa vie!

この場合のmanquerは「他動詞」。

manquer 「欠けてるもの(失敗した対象)」

さいごに

こうしてみると、manquerという動詞のややこしさは、「自動詞、他動詞、間接他動詞、非人称」1語で4役も兼ねているところにあるように思います。

間接他動詞と他動詞と使い方を間違えるだけで、「不足している」から「失敗する」まで意味がずいぶんと変わってきてしまうんだから、怖いですね。

ところで、「間接他動詞」ってなんだったけ?と思ってググると、すごい納得の説明のホームページがあったのでリンクしておきます。
文法って一応やったつもりでも、よく理解できてないところがあるので、ここでも勉強したいなと思います。

北鎌フランス語講座- 文法編