スペイン語の時制をイメージ図で見てみたら・・・ 過去 vol.2(相対時制)

スペイン語の時制をイメージ図で見てみたら・・・ 過去 vol.2(相対時制)

こんにちは、ちりめんしゃこです。

前回は現在、点過去、現在完了といった絶対時制を確認しました。
今日はちょっと複雑な「相対時制」「線過去」「過去完了」「過去未来」「過去未来完了」をイメージしてみたいと思います。

ここに取り上げる用法以外にもいろいろあるのですが、時間的なイメージを見るため、細かい用法は省いています

相対時制(線過去、過去完了、過去未来、過去未来完了)のイメージ

点線は「現在の時点」、▲は「基点」です。
kakono2

直説法線過去(pretérito imperfecto de indicativo)

senkako

点過去と違って、始まりも終わりも特定されない、もっと漠然とした過去のお話。というイメージ?

「(▲の時、)~していた」:過去の継続的な行為。(ex.朝起きたら、雪が降っていた)
「(昔は)~したものだった」:過去の習慣。(ex.昔はみんなで海に行ったものだったね)

「線」「点」という名前は時間の長さを表しているのではなくて、始まりと終わりが意識されるか否か、という違いと思ったほうがいいのかも。

なので「線」は、始まりも終わりも意識されないので、「限定された期間」を表す言葉と共には使われないもよう。

[線過去と点過去のニュアンスの違い]
点過去は「終わりが明示的」なので結果をはっきりさせるのに対して、線過去は「終わりが不明確」なため単なる状況を言っているだけだったりする。

また、点過去で「~すべきだった」と言った場合は実際にはやらなかった可能性が高いのに対し、線過去では実際にやったかどうかは分からない

直説法過去完了(pretérito pluscuamperfecto de indicativo)

kakokanryo

「現在完了」の過去バージョン。基点が現在から過去(▲)になっただけ。

基点(▲)時点では終了しているけど、基点(▲)に何らかの関係がある過去。というところでしょうか。

「(▲の時すでに)~し終わっていた」:基点の時点で終了した行為 (ex.その時にはすでに家に着いていた[「その時」が▲、「着いていた」が過去完了])
「(▲のときはまだ)~し終わってなかった」:否定だと(終わっているはずのものが)未完了 (ex.まだ宿題がすんでなかった)
「(▲の時までに)~したことがある」:経験 (ex.富士山に登ったことがある、と言っていた[▲が「言っていた」、「登ったことがある」が過去完了])

haberは「線過去」で活用させます。

直説法過去未来(condicional simple de indicativo)

kakomirai

名前が分かりにくいですよね、過去なのか未来なのか。。。

基点(▲)が過去、それ以降の未来について語ります終了時点は現在なのか未来なのかは不明

「(▲の時点で)~するつもりだった」:基点(▲)から見た未来 (ex.父は来月ドイツに出張に行くと言っていた[▲が「言っていた」「出張に行く」が過去未来])

他にも「過去の推定」や「(現在/未来の行為について)婉曲」など、ニュアンス満載の時制ですが、ここでは単純な「時間」の話に限るためスルー。

直説法過去未来完了(condicional compuesto de indicativo)

kakomiraikanryo

名前が長すぎる&過去なのか未来なのか完了してるってのはどういうことなのか。。。

基点(▲)が過去、それ以降の未来について語るが、終了点(△)には完了してる、という時制です。
(終了点(△)は図では現在から見て未来としてますが、過去でも現在でも決まりはなさそうです。)

「△の時点には~し終わっているだろう(▲の時点で言った、思ったetc.)」:(ex.再来月までには出張から帰れるだろうと父が言った[△が再来月、「出張から帰れる」が過去未来完了、「言った」のが▲の時点])

過去未来完了=「haber(過去未来の活用)+過去分詞」なだけあって、これまた「推量」を表現する用法もあるんですが、これも単純な「時間」の話に限るため今回はスルーします。

まとめ

相対時制は基点(▲)がいろいろ動く分だけ、ちょっとややこしくなります。

また、ここでは触れてませんが、線過去、過去未来と過去未来完了には「推量」やら「婉曲」といった用法があってさらにややこしい。

ですが、大まかなイメージをつかむと、(始まりも終わりも限定しないという曖昧さから?)こういった「推量」とか「婉曲」のようないい方もするようになるのかなー、などと思えてきます。

次回は「未来」と「未来完了」をイメージしてみます。