[スペイン語の単語メモ] 音楽・楽器関係の単語

[スペイン語の単語メモ] 音楽・楽器関係の単語

最近、自作単語帳を作るようになったんですが、やっぱり単語を覚えるなら関連する単語をいっしょに覚えたほうがいいかと思って、今回は音楽・楽器関係の単語を集めてみました。

というか、最近、スペイン語版「セロ弾きのゴーシュ(Gauche, el violoncelista)」(by 宮沢賢治) を読んでたら、それはもちろん、セロ弾きが主人公の話とあって音楽系の単語がぽこぽこ出てきたので、それを集めただけです。。

物語、(おそらく多くの人が読んだ事あると思う。あの有名な)話のすじにそっているので、記憶も定着しやすいのではないか?
と期待してみたり。

読んだのはこの本。

単語メモ帳 ~ 音楽編

ざっと単語を並べてみます。もちろん、他にもあるでしょうがとりあえず。
音楽用語以外の使い方もできる単語も含まれてます。

■楽団や楽器
músico(n.) 音楽家
orquesta(n.f.)オーケストラ、楽団
director(n.m.)楽長
instrumento(n.m.)楽器
arco (n.m.) 弓
cuerda (n.f.) 弦
puente(n.m.)弦楽器の駒、柱
bastones(n.m.pl)ドラムスティック
estuche (n.m.) 楽器の保護用ケース

■楽譜やリズム
partitura (n.f.) 楽譜
pieza (n.f.) 曲
tramo (n.m.) 区間(節などを指す?)
la última barra (n.f.)直前の小節
la escala musical (n.f.) 音階
compás (n.m.) リズム
tono (n.m.) 音調、音高

■演奏本番とリハ
ensayo (n.m.) リハーサル
camerino (n.m.) 楽屋
escenario (n.m.) 舞台、ステージ
representación (n.f.) 上演
bis (n.m) アンコール
palco (n.m.) ボックス席

■動詞
afinar 調律する
atacar (曲に)とりかかる
tensar (弦を)張る
tocar (楽器を)弾く

センテンスで覚えてみる

ということで、「セロ弾きのゴーシュ」名場面を含めて(?!)、使い方も見ながら覚えてみたい。
原作は、私は電子辞書(CASIO XD-N7200)の「生活・実用3」にある「日本文学1000作品」を参照しました。

物語前半部分から ~ ゴーシュが楽長に怒られる場面

fuera de tono(音が外れてる)、la escala musical(音階)

– ¡Ese violoncelo! ¡Andas completamente fuera de tono! ¡Qué desastre! ¿Te imaginas que tengo tiempo de enseñarte la escala musical?
(p.121)

「セロっ。糸が合わない。困るなあ。ぼくはきみにドレミファを教えてまでいるひまはないんだがなあ。」

fuera de tono」は調律があってない事もいうけど、音楽以外でも「ふさわしくない、場違いな」という意味でも使えます。
「ドレミファ」は音階のことだから、「la escala musical」。

partitura(楽譜)、afinar(調律する)

Todos los demás músicos, apenados por él, se dedicaron a repasar con atención las partituras o se concentratron en afinar los instrumentos.
(p.121)

みんなは気の毒そうにしてわざとじぶんの譜をのぞき込んだりじぶんの楽器をはじいて見たりしています。

「楽器をはじいてみたり」は、ここでは説明的に、afinar el instrumento「楽器を調律する」と言ってますね。

dedicarse a ~ 「~に従事する、専念する」
repasar 「復習する、おさらいする」
concentrarse en ~「~に(気持ちを)集中する」

dedicarとconcentrarがとる前置詞がa、enて、ややこしいな。。

tensar las cuerdas (弦を張る)

Gauche se apresuró a tensar las cuerdas de su violoncelo.
(p.121)

ゴーシュはあわてて糸を直しました。

「糸を直す」、つまり調律しなおすことだけど、ここではtensar las cuerdas「弦を張る」と言い換えられてます。

apresurarse a 不定詞 「急いで~する」

la última barra (直前の小節)

Continuemos a partir de la última barra. ¡Vamos!
(p.121)

今の前の小節から。はいっ。」

小節」って難しい単語で、西和中辞典引くと「compás」って出てくるんですけど、用例見ると「リズム」が多い。
barra(n.f.)「(楽譜の小節を区切る)縦線」を指すそうですが、このシチュエーションだと、compásじゃなくてbarraなんでしょうね。

物語中盤から ~ 狸の子とリズム練習

セロ弾きのゴーシュって、ゴーシュが動物と夜な夜な楽器の練習をして上達するって話で、
他にも猫とかカッコウとかネズミもでてくるんですが、ここでは狸(el tejón)との場面から。

marcar el compás (リズムをとる)

Entonces el tejón cogió los dos bastones y empezó a marcar el compás sobre la caja del violoncelo, más abajo del puente.
(p.131)

すると狸の子は棒をもってセロの駒の下のところを拍子をとってぽんぽん叩きはじめました。

compás(n.m.)って小学校の算数の時間に使った「コンパス」のことなんですが、「拍子、リズム」という意味もあるんですね。

fuera de compás 「テンポが合わない」
guardar el compás 「リズムを保つ」
llevar el compás 「拍子をとる、リズムに合わせて踊る」
a compás 「調子を合わせて、拍子をとって」
al compás de~ 「~のリズムに合わせて」

いろんな言い方があります。

こうしてみると、「fuera de ~」って「~が合わない」っていうので応用範囲が広いですね。
「リズムをとる」のは他にも、marcarだけでなく、guardarllevarも使えるみたい。

perder el compás (テンポが狂う)

– Gauche, cuando tocas la segunda cuerda te retrasas. Me haces perder el compás.
(p.131)

「ゴーシュさんはこの二番目の糸をひくときはきたいに遅れるねえ。なんだがぼくがつまずくようになるよ。」

ゴーシュ、ショックなこと言われた場面。

「リズムが狂う」はperder el compás、リズムを失くしてしまうんですね~。

Me haces perder el compás、「君が私にリズムを狂わせてしまう」→「自分のリズムが(君のせいで!)狂ってしまう」ってなかなかさっと言えないけど理屈は分かる。

物語後半から ~ 楽団の演奏が大成功!

guardando los instrumentos en sus estaches (楽器をしまう)

Los músicos ya estaban encendiendo cigarrillos y guardando los instrumentos en sus estaches.
(p.135)

みんなはたばこをくわえてマッチをすったり楽器をケースへ入れたりしました。

¡Bis! アンコール

¿No podrían tocar un bis? Aunque sea una pieza corta.
(p.136)

「アンコールをやっていますが、何かみじかいものでもきかせてやってくださいませんか。」

「アンコール!」「¡Bis!」

アンコールで何かやってもらえないか?の動詞は「tocar」なんですね。tocar un bis

atacar la pieza (曲の演奏にとりかかる)

Al igual que lo había hecho con el gato, Gauche atacó la pieza con la vehemencia de un elefante furioso.
(P.136)

それからあの猫の来たときのようにまるで怒った象のような勢で虎狩を弾きました

atacar、って「攻撃する」って覚えてた(英語のattack)んですが、「[困難などに]挑む、取り掛かる、始める」という意味もあって、ここでは「曲の演奏にとりかかる」という使われ方をしています。

楽長をはじめ楽団の皆がいやがるゴーシュにアンコールを弾かせるという状況で、ゴーシュが「どこまで人をばかにするんだ、よし見ていろ」とインドの虎狩という曲を弾き始めるわけですが、単に弾く(tocar)でなくて、atacarを使うところに雰囲気を感じました。

さいごに

知っている話、日本語で子供の頃よんだ話をスペイン語で読んでみようと思って、宮沢賢治のスペイン語版を手にしてみました。
この日本語はどう訳すのかな?と思って読んでみると思わぬ発見があって面白かったです。
不思議な訳もありましたが(タクト(指揮棒)がトマトになってるとか)。

フランス語版もどこかにあったはず、探してきてもう一度読んだら、スペイン語との違いもあってまた面白いかも。