[スペイン語]派手だが可愛い「ヤツガシラ」という鳥が実は臭いという事実。その理由とは?

[スペイン語]派手だが可愛い「ヤツガシラ」という鳥が実は臭いという事実。その理由とは?

(上記鳥の写真:Hoopoe By: Antony Grossy)

つまみ食い辞書マラソンをしている時に出てきた単語「Abubilla(ヤツガシラ)」。
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Diccionario SALAMANCAの説明では、「臭い」とあったのがずっと引っかかっていました。

Ave de color pardo, con las alas y la cola blancas y negras, pico largo y currado hacia abajo, y un penacho en la cabeza, que se alimenta de insectos y tiene muy mal olor.

Diccionario SALAMANCA「Abubilla」

日本では「旅鳥」として時々やってくるくらいで、あまりポピュラーな鳥ではないからか、日本の野鳥図鑑でも「臭い」とは書かれていなかったので、調べてみた。本当なんだろうか?

「ヤツガシラ」ってどんな鳥?

写真のごとく、頭に特徴的な冠のような羽が生えています。
明るい黄色?橙色?みたいな色に、白黒のストライプの模様があって、結構、派手な鳥です。
こんなに派手なのはオスだけ?と思ったら、実は、メスも同じらしい。

けっこう世界中に幅広く生息しているみたいで、夏はヨーロッパ等で繁殖、冬はアフリカ(サハラ)なんかで越冬している。
日本では長野県で繁殖記録があるみたいです。

スペインでは巣をかける木が減っていることや、殺虫剤の影響で虫が減っていることなんかが影響して、数が少なくなってきているようで、保護の対象になっているようです。

食べ物

昆虫、特に幼虫やサナギなんかが好きらしく、土の中や落ち葉の下にいる虫を、長いくちばしで探して食べている

繁殖


abubilla alimentando a su pollo 10 – hoopoe giving to eat its chicken By: Ferran Pestaña

木のうろ岩の隙間、空き家や壁の隙間なんかに、落ち葉や草を敷いて巣にする。

一度の産卵で生む卵の数は7~10くらいらしいが、成鳥になるのは2羽くらいだとも。
メスが17~20日くらいかけて温めて孵化させ、その後はメスは子育てに専念、オスが餌を取ってくる、というスタイルらしい。
26~29日くらいで巣立ちだそうで、スペインではだいたい7月下旬から8月上旬あたりに巣立つらしい。

なぜ「臭い」のか? 実は、身を守るため。

「臭い」のは実は、防衛のための戦術のようです。

ヒナがいる巣に近づくと、まず、母鳥、ヒナが威嚇音を出し、その後、尾の付け根あたりになる分泌腺から、クサイ分泌液を出して、敵を追い払おうとする

それでもしつこく近づくと、ヒナがとんでもない匂いの糞をまき散らすそうで、その飛距離は50cmくらいあるらしい。

なんでも、ただ臭い、というよりは、吐き気を催すくらいの匂いだそうで、なかなか強烈なニオイのようです。

さいごに

このヤツガシラ、イスラエルでは「国鳥」になっているらしいです。(旧約聖書では不浄な鳥とされているらしいが)
ソロモン王がシバの女王へのメッセンジャーとしてヤツガシラを使ったという伝説がありますが、確かに、ヤツガシラは冬はアフリカに渡る、渡り鳥としての習性があるので、メッセンジャーになりそうな気もする。(シバ王国の場所は定かではないが、アフリカという説もあるので)

ちなみに、
ヤツガシラの鳴き声って「ポ、ポ、ポ・・・」みたいな鳴き声なので、

学名は「Upupa epops
英語は「Hoopoe
フランス語は「Huppe fasciée」(fasciéeは「縞のある」という意味)

全て鳴き声から名付けられた感があります。

日本ではそのトサカのある姿から「戴勝」と書いて「ヤツガシラ」と読みます。(サトイモの一種の「八頭」とは違う)
「勝を戴く」なんて、なんだか縁起のいい感じがしますね。

同じブッポウソウ科のブッポウソウは鳴き声から名づけられているのに対して、日本では姿から名付けられているのも面白いですね。やっぱり日本ではあまり数がなくて、鳴き声もそれほど聞かない?のと、地味な姿の野鳥が多い日本の中では目立つので見た目から名づけられたのかなぁ。

(参考URL)
http://losporquesdelanaturaleza.com/sabias-que-las-abubillas-tienen-fama-de-oler-mal/
https://faunayfloraafricana.blogspot.jp/2013/03/abubilla-su-defensa-esta-en-el-mal-olor.html