動詞の活用練習とか文法とか読解とか作文とか、心折れそうになる地味な学習が多い語学。
気分転換でも、別の視点から語学に接することができるかなと思って最近読んでみた本をご紹介します。
スペイン語の歴史から中南米のスペイン語の特徴までカバー『スペインの言語』
<<本データ>>
『スペインの言語』
山田善朗(監修)伊藤太吾 他(著)
同朋舎出版、1996年発売
284ページ
ちょっと専門的な本なので、気楽に読める本、とは言えないかもしれませんが、知らない事を知る楽しみは大きい本でした。
読む人の関心によって、どの部分がグッと来るかは様々だと思いますが、特に面白かったのは、スペイン語(カスティリア語)が出来るまでのローマ帝国、西ゴート、イスラムなどの影響の部分。
(ラテン語でない)俗語の初めての文法書が作られたのが、スペイン語(カスティリア語)であり、それがまたコロンブスのアメリカ大陸到達と同じ年であったという話。
カタルニア語、ガリシア語、バスク語、中南米のスペイン語などの特徴など。。。
あたりが特に興味深かったです。
ラテン語との比較は、ラテン語の知識がゼロなので辛かったり、音韻などの話も専門的でピンと来ず、眠くなっちゃいましたが、歴史的側面や言語学的側面などいろんな角度からスペイン語をみれたのはよかったです。
(ついでに章立ても紹介)
第1章 スペイン語の誕生に向けて ←古代から中世まで、ローマ帝国、西ゴート、イスラムなどの影響
第2章 中世のスペイン語 ←「カスティリア語」の話
第3章 黄金世紀のスペイン語 ←16、17世紀のスペイン語
第4章 近代および現代のスペイン語 ←18~20世紀のスペイン語や俗語など
第5章 スペイン語の特徴 ←音韻とか語順とか、文法的な特徴について
第6章 スペインの地方語 ←カタルニア語などの地方語とその現状など
第7章 海外のスペイン語 ←中南米のスペイン語など
スペイン語の“語感”を考えながら読むとおもしろい『新・スペイン語 落ち穂ひろい 777の表現集』
<<本データ>>
『新・スペイン語落ち穂ひろい: 777の表現集』
清水憲男 (著)
白水社、2013年発売
234ページ(索引除く)
この本もまた、いつもとは別の視点からスペイン語に接することができた本です。
「はじめに」や途中のコラムを読むと、なかなかキビシイことが書いてあって身につまされること多し、なんですが、語学をものにするには並大抵の努力ではだめなものなんだ、となかなか進歩しない理由がわかって逆に納得。
紋切り型のフレーズを覚えるだけの「単なる暗記」に否定的な本書。「読んで考える」勉強方を勧めておられます。
本自体は実際に使われている777もの文章が、日本語訳の50音順にならんでいます。背景や説明も簡潔でとても読みやすいです。
「こんな言い方をするのか~」とか意外な表現あり、よく知っている基本動詞の意外な用例あり。。。
スペイン語のひとつひとつの言葉の感覚を自分なりにイメージしながら読み進めるのが楽しいです。
本当はこういう言語感覚って自分で色んな文章にあたって会得していくものなんだと思いますが、自分で一からやるには時間も力も限界があってなかなか。。。でもこの本は大きな力になると思います。
セリフを知ってから観るのも面白いかも『映画に学ぶスペイン語』
<<本データ>>
『映画に学ぶスペイン語―台詞のある風景』
柳原孝敦(著)
東洋書店、2010年発売
137ページ
やはりいちばんの気分転換といえば映画!
スペイン語圏の映画、34作品のあらすじと作品データ、そしてキーとなるセリフが紹介されています。
スペイン語圏の映画といっても、スペインからメキシコ、アルゼンチンなど中南米まで、本当にたくさんあるし、また年代も最近のものは見た事があっても、1960年代とか70年代とか古いものなどは知らなかったりします。
テーマも内戦、愛、友情、歴史、芸術・・・などさまざま。監督や俳優もいろいろで表現もさまざま。でもここからスペイン語圏の国や社会の問題や価値観などを改めて認識しました。
1作品4ページの割合で説明してあり、さっと読めますが、セリフの背景説明だけでなく、文法のポイントも解説してあるので、楽しみながら勉強できるのがいいです。
知っている作品もけっこうあるな、と思ってたけど、ちゃんと数えたら実際に見たのは3作品だけ(!)だったので、少しずつまた見ていこうかな。。。
ビデオ見放題!
まとめ
以上3冊、最近(といってもけっこう前のもあるが)、いつもとは違う方向からスペイン語を見て気分転換してみた本を紹介しました。
同じことばかりしていると飽きてしまうので、うまく気分転換しながら続けられるのがベスト!だなぁとおもうこのごろです。