前回は動物のオスメスをやったので、今度は人間、それも親族(Parentesco)についてまとめてみました。
父母兄弟はすぐ言えても、婿嫁舅姑とかって、さっと出てきますか?私は初めて知りました。けっこういろいろあって面白い。
そして親等の数え方なんかもちょっと日本と違います。
直系のひとびと 『línea directa (línea recta)』
まずは直系(línea directa)、すなわち、血のつながっている人々(血族:parentesco de consanguinidad)から。
親等(grado de consanguinidad)の順に見ていきます。
1親等 De primer grado
父母:Padres
いうまでもなく、
父:padre
母:madre
です。
ちなみに、「父方の」は「paterno(na)」で、父方の祖父は「abuelo paterno」父方の祖母は「abuela paterna」。
法律用語としては、父親の親族、男系親族(agnación)をあらわす「agnado(da)」という言葉もあります。
また、「母方の」は「materno(na)」。同様に母方の祖父、祖母は、「abuelo materno」「abuela materna」、です。
女性親族(cognación)をあらわすのは他に「cognado(da)」というのもあります。
paterno ←→ materno
agnación ←→ cognación
子供:Hijos
これまた言うまでもないですが、
息子:hijo
娘 :hija
ですね。
これだけで終わると寂しいのでついでに諺をひとつ。
人はそれぞれ自分の行動の子(産物)である → 氏より育ち
2親等 De segundo grado
祖父母 : Abuelos
祖父:abuelo
祖母:abuela
■abuelaがらみで脱線
abuelaというと、この前読んだ、「La increíble y triste historia de la cándida Eréndira y de su abuela desalmada」(無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語)
[nlink u=”https://tirimenj5.com/2015/10/22/1529″]
を思い出しますが、辞書を見てると面白い表現があったのでメモ。
(皮肉をこめて)あまりに自画自賛する、自慢しすぎる
何かあったらおばあちゃんを持ち出してきてその力で物事を決めようとするワガママな子供をイメージしちゃうんですが、
おばあちゃんは日常生活で大きな力を持ってるってことでしょうか??先入観ありすぎ?
孫 : Nietos
孫息子:nieto
孫娘 :nieta
ここまでは見たことあると思います。
次からは接頭辞つければOK!
3親等 De tercer grado
この場合、“2”とか”再び繰り返す”といった意味の「bi(s)-」が「曾」に当るようです。
曾祖父母 : Bisabuelos
曾祖父:bisabuelo
曾祖母:bisabuela
bis+abuelo(la)
曾孫 : Bisnietos
曾孫(男):bisnieto
曾孫(女):bisnieta
bis+nieto(ta)
4親等 De cuarto grado
これもおそらく“3”とか”三度繰り返す”といった意味と思われる「tatar(a)-」をつけて、4親等の先祖と子孫をあらわしてますね。
高祖父母 : Tatarabuelos
高祖父:tatarabuelo
高祖母:tatarabuela
tatar+abuelo(la)
玄孫 : Tataranietos
玄孫(男):tataranieto
玄孫(女):tataranieta
tatara+nieto(ta)
玄孫(やしゃご)って読み方が難しいですよね。
ちなみに日本語には来孫(らいそん:玄孫の子)、昆孫(こんそん:玄孫の孫)etc…という言葉もあるけど、
和西辞書引いただけではスペイン語では分からない領域でした。
傍系のひとびと 『línea colateral』
次は共通の先祖を持つ血のつながっている人々(parentesco de consanguinidad)でも、傍系(línea colateral)の人を。
1親等はいないので、2親等から。
2親等 De segundo grado
兄弟姉妹 : Hermanos
兄:hermano mayor
弟:hermano menor
姉:hermana mayor
妹:hermana menor
普通は「mayor」「menor」はつけないで、単にhermano、hermanaで十分ですが、一応。
3親等 De tercer grado
叔父叔母 : Tíos
叔父(伯父):tío
叔母(伯母):tía
■tíoがらみで脱線
話はそれますが、「Tío Sam」って言ったらサム叔父さんだろうと思ったら、「アメリカ合衆国(政府)」を指すらしい。
(※U.Sをもじった Uncle Samに由来するらしい)
■tíaがらみで脱線
(叔母さんがいない)
口語表現で「ムリだ、全然ダメだ、そう簡単なことじゃない」という意味があるらしい。
どんな状況で使われるのか不明。
■tíos abuelos 、というと?
叔父の祖父?って誰??自分の曾祖父(bisabuelo)?、というのは間違いで、
tíos abuelosは「大叔父、大叔母」(祖父母の兄弟姉妹にあたる)を意味します。(4親等)
tíos segundos(2番目の叔父叔母)は、このtíos abuelosの子、すなわち両親のいとこにあたる人たち、
tíos terceros(3晩目の叔父叔母)は、両親のはとこにあたる人たち、になるらしい。
この辺はなんかややこしいので、図を描くとこうなる。
<図:Wikiスペイン語版を参考>
甥姪 : Sobrinos
甥:sobrino
姪:sobrina
「sobrinos」は傍系において「自分より一つ下の世代」を指す言葉でもあります。
自分の兄弟姉妹の子(甥姪)が「sobrinos」、
なんで、いとこの子は「sobrinos segundos」
そして、はとこの子は「sobrinos terceros」(またいとこ、の事)
自分(直系)から離れていくにつれて、序数がsegundo、terceroとつく、という規則があるようです。
4親等 De cuarto grado
いとこ : Primos
いとこ(男): primo
いとこ(女): prima
「自分より一つ下の世代」が「sobrinos」なら、
「自分と同じ世代」は「primos」と呼ぶみたいですね。
なので、自分のはとこは「primos segundos」。
■primoで脱線
スペインでは口語で「お人よし、間抜け」って意味もあって、
ser primo hermano そっくりである、[物が +deと]よく似ている
primo hermano(=primo carnal)は血のつながっているいとこのことです。
ちなみに「número primo」は「素数」
primo、意味範囲広い。。。
甥姪の子 : Sobrinos nietos
なんかもう嫌んなってきたけど・・・・
甥姪(sobrino)の子=兄弟姉妹の孫(nieto)と、なんだか混乱するが、
自分より一つ下の世代(sobrinos)でしかも孫世代(nietos)と考えれば良いかと。
甥姪の子(男):sobrino nieto
甥姪の子(女):sobrina nieta
姻族のかたがた 『parentesco de afinidad』
配偶者(cónyuge)側の親戚関係を見てみます。
1親等 De primer grado
配偶者: Cónyuge
日本では配偶者は親等はないですが、スペインは1親等として扱うようです。(というか、配偶者に親等がない日本の方が珍しいらしい)
「配偶者」はcónyugeのほかに「consorte」(文語)という言い方もあります。
夫:marido、esposo
妻:mujer、esposa
■esposaで脱線
複数形esposasにすると、「手錠」って意味になるんだけど、
つい「結婚は人生の墓場である」って言葉を連想してしまう。。。
って動詞もあります。
舅姑 : Suegros
舅:suegro 、padre político
姑:suegra 、madre política
suegro(a)という言葉が思い出せなかったら、義理の父(padre político)っていえばいいな。。。
婿嫁 : Yernos y Nueras
婿: yerno、hijo político
嫁: nuera(中南米ではyerna)、hija política
「義理の」は「político(a)」ってつければOK!
2親等 De segundo grado
義理の兄弟姉妹 : Cuñados
義理の兄弟:cuñado、hermano político
義理の姉妹:cuñada、hermana política
ここで問題。
この配偶者のいとこは何ていうでしょう?
こたえは、義理の(político)関係で「自分と同じ世代」(primo)なので、
「primos político」です。
その他の関係の人びと。養子とか継母とか
法律上の親子関係等々(parentesco civil)です。
養子縁組
まず、養子縁組(la adopción)の関係から見ていきます。
adoptar「養子にする」
adoptivo(a)「養子の」という単語で表現できます。
養父母:Adoptantes
養父:padre adoptivo
養母:madre adoptiva
養子: Adoptados
養子(男):hijo adoptivo
養子(女):hija adoptiva
ただし、以下の”息子”たちは「養子」ではないです
hijo adoptivo de la ciudad (名誉市民)
adoptivo(a)には、「自分のものとして選んだ」という意味もあるので、下のような使われ方もします。
patria adoptiva (帰化した国、第二の祖国)
継母継子の関係
「継」の部分は「-astro(a)」っていう語尾にすればいいみたいな。
継父継母
継父: padrastro
継母: madrastra
継子
継子(男): hijastro
継子(女): hijastra
異父(母)兄弟姉妹
「半分血がつながっている」ってことで「medio(a)」をつければいいみたいな。
異父(母)兄弟: medio hermano
異父(母)姉妹: media hermana
嫡出子から見た腹違いの兄弟、というのは特別、
hermano bastardo
というみたい。(bastardo=非嫡出子の)
嫡出子は
hijo legítimo
hija legítima
非嫡出子は
hijo ilegítimo
hija ilegítima
それぞれ、結婚してるかどうか(dentoroかfuera)で、
hijo dentro de matrimonio(嫡出子)
hijo fuera de matrimonio (非嫡出子)
という表現もある。
まとめ
親族関係をこまごまと見てきました。
日本語で考えても、なかなかややこしいです。普段、大叔父とか玄孫まで考えるなんてまぁありませんが、
大雑把にとらえると、スペイン語では
傍系 自分より上の世代 → Tío
傍系 自分と同じ世代 → Primo
傍系 自分より下の世代 → Sobrino
と呼んで、
自分(直系)との距離が離れるにつれて、「segundo」「tercero」とつけてその血縁の距離を表す、
といった感じでしょうか。
また、関連単語として、
尊属(先祖) : ascendiente
卑属(子孫) : descendiente
家系図 : árbol genealógico
「血のつながった」は 「carnale」で、血のつながった叔父は「tío carnale」。
反対に、血のつながってないのは「político」で、血のつながってない叔父は「tío político」。
というのもついでに覚えておきたいのでメモして終わります。