[フランス語]ラルースやさしい仏仏辞典、Iの項。接頭辞「in-」を押えて語彙倍増計画!

[フランス語]ラルースやさしい仏仏辞典、Iの項。接頭辞「in-」を押えて語彙倍増計画!

ラルースやさしい仏仏辞典Iまできました。
分量は32ページ、104語。まぁまぁのボリュームです。

(引用部分は「ラルースやさしい仏仏辞典 NIVEAU 1」からです。)

接頭辞「in-」

「I」から始まる言葉の語頭には、im、またはin~がついてるものが多い、という印象があります。
実際、「in-」というのは接頭辞と呼ばれていて、接頭辞にも複数の意味があるようです。

接頭辞「in-」とは?

辞書(仏和大辞典)にも、「in-」の説明があります。(2種類)
また、「in-」はb,m,pの前では「im-」lの前では「il-」rの前では「ir-」
と形が変わります。

「否定、欠如」の意味を表す「in-」

例えば、capable(有能な)の頭に接頭辞「in-」がつくと、incapable(無能な)という意味になります。

このパターンは形容詞が多いですが、「動詞の語幹+ “-able”」「動詞の過去分詞」につくことが多いです。

(また、l,rの前では「il-」「ir-」となる規則があるものの、「in-」のままということもある。)

他に似たような接頭辞として、「a-」もあるけど、「a-」は欠如「in-」は反対と使い分ける場合もあるそうな。
(例。amoral(道徳の欠如した)、immoral(道徳に反する)、moral(道徳的な))

その他の「in-」

他にも接頭辞「in-」の意味には、

「~の中に、~の上に」を表す場合。 例:imposer(上におく → 押しつける)
「ある状態への移行」を表す場合。 例:innover(革新する)
「行為の完遂、脅威」を表す場合。 例:indiquer(指示する ;dic(t)-(言う、語る)

というのもあります。ややこしい。

また、この場合の「in-」は「ex- (またはé-,dé-)」と反対語の関係になるものが多いとのこと。
よく例に出されるものに、importer(輸入する)とexporter(輸出する)がありますね~。

反対の意味を作る「in-」を集めてみると・・・

今回読んだラルースやさしい仏仏辞典NIVEAU1のIの項から、反対の意味を作る「in-」を並べてみました。
けっこうあります。全部で24個!

1 immobile (adj.) 不動の mobile (adj.) 可動の
2 impasse (n.f.) 袋小路 passe (n.f.) 狭い通路
3 impatient,e (adj.) 忍耐心に欠ける patient,e (adj.) 忍耐強い、根気のある
4 imperméable (adj.) 不浸透性の、防水の perméable (adj.) 浸透性の、水を通す
5 impossible (adj.) 不可能な possible (adj.) 可能な
6 imprévu,e (adj.) 思いがけない、意外な prévu,e (adj.) 予想された、用意された
7 imprudent,e (adj.) 軽率な、無分別な prudent,e (adj.) 慎重な、用心ぶかい
8 inadmissible (adj.) 容認できない admissible (adj.) 容認できる
9 inattendu,e (adj.) 予想外の、突然の attendu (adj.) 予期された、待ち望まれた
10 incapable (adj.) 無能な capable (adj.) 有用な
11 incompréhensible (adj.) 理解しがたい compréhensible (adj.) 理解しやすい
12 inconnu,e (adj.) 未知の、無名の connu,e (adj.) 有名な、周知の
13 inconscient,e (adj.) 意識を失った、無分別な conscient,e (adj.) 意識的な、自覚のある
14 incroyable (adj.) 信じがたい、驚くべき croyable (adj.) 信じられない
15 indépendant (adj.) 独立した、別個の dépendant (adj.) 依存する、支配される
16 indiscret,ète (adj.) 慎みのない、口の軽い、無遠慮な discret,ète (adj.) 慎み深い、口の堅い
17 inévitable (adj.) 避けられない、必然の évitable (adj.) 避けられる
18 injuste (adj.) 不当な、不正な、不公平な juste (adj.) 正しい、公平な、正当な
19 injustice (n.f.) 不当、不正、不公平 justice (n.f.) 正義、公正、公平
20 inquiet,ète (adj) 不安な、心配な quiet, ète (adj.) (古)静かな、穏やかな
21 insupportable (adj.) 耐えられない supportable (adj.) 耐えられる
22 inutile (adj.) 役に立たない、無益な utile (adj.) 役立つ、有用な
23 involontaire (adj.) 不慮の、無意思の volontaire (adj.) 自発的な、故意の
24 invraisemblable (adj.) 本当らしくない、信じられない vraisemblable (adj.) 本当らしい、ありそうな

あれっ?英語にはあるのに、フランス語にはない?

接頭辞「in-」(または「im-」)を取除いて反対の意味になるかどうか見てたら、思い込みもありまして・・・

英語にはあるけど、フランス語にはない、というパターンもあるみたいです。

例えば、
inconvénient (n.m.) 不都合、欠点

convenient(adj.)は英語では「便利な」という意味がありますが、フランス語では「convenance (n.f.) 都合」
カタチが変わってます。単純に「in-」とればいいだけの話ではないですね。

同様に、indispensable (adj.) 必要不可欠の

英語では、dispensable(adj) 必要でない
フランス語では、dispensable(adj) 免除可能の、免除されるべき

となっていて、意味が若干異なります。英語と混乱しそう。

また、これは英語もフランス語も同じ意味ですが、
indifférent,e (adj.) 無関係な、無関心な

英語ではdifferent(adj.) 異なった、別の
フランス語ではdifférent,e (adj.) 異なった、別の

これは「in-」が否定、欠如の意味にならない例ですね。

おまけ。「ivre」(酔った)の類義語は酔い具合を色で表現。

最後に、面白かった言葉を一つ。

ivre (adj.)
S. On est ivre quand on BOIT trop d’ALCOOL.
Les syn, fam. sont SOUL ou NOIR.
Qqn qui est à moitié ivre est ÉMÉCHÉ, GRIS.

酔った(形容詞)
S. お酒を飲みすぎると、人は酔う。
砕けた同義語に、SOUL、NOIRがある。
半分酔った人は、ÉMÉCHÉ, GRIS

完全に酔った場合は黒(NOIR)で、ほろ酔いだと灰色(GRIS)という砕けた表現があるようです。

今、スペイン語の色の言い回しを調べているんで、こんな色を使った表現があるのかと興味深かったんですが、
gris(灰色)はスペイン語も同じ単語なので、同じ使い方あるのか?と辞書を引いたところ、ありませんでした。

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おわりに

英単語で覚えている意味でも、フランス語にはなかったり(convenient)、思わぬ勘違いがあってちょっとあせりました。

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